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長井長義公開フォーラム

開会にさいして

フォーラム実行委員長 寺田 弘先生(東京理科大学教授、DDS研究センター長)

フォーラムを始めさせて戴きます。
の原博武著「この人長井長義」という新書判の本が最近出版されました。薬学の始祖とされる長井先生の伝記ですが、著者は精力的に資料を集められ、しかも薬学に関係する方々は勿論、一般市民の皆さんにも読み易く、また面白く、楽しめる本に仕上げられました。非常に参考になるご本なので、是非皆様お手に取って開いて戴きたいと思います。今回は、この本を参考にして、長井長義先生の偉業の数々に触れ、薬学の将来像を皆様と一緒に考える機会としたく、ここに公開フォーラムを開催することになった次第です。
長井先生は徳島に薬を創成するための施設を作ることに努められましたが、その結果、大正11年に徳島高等工業学校が設立され、そこの応用化学科に製薬化学部が設置されました。これが現在の徳島大学薬学部の前身であり、全国的にも珍しい工学系の薬学を行うことによって、製薬技術者や研究者を養成しようとすることを目的にしたものでした。

それ以降、徳島大学薬学部は長井長義先生のご趣旨に沿うべく努力を続けて来たわけですが、忘れてはならないのは長井長義先生のお孫さんの長井貞義をはじめとする長井先生のご子孫の献身的なご援助です。私はかつて徳島大学薬学部に勤めておりましたので、長井貞義様と長い間親しくお付き合いさせて頂きましたことを、改めて深く感謝する次第でございます。
いくつか長井長義先生に関係ある徳島の写真をご紹介したく思います。はじめの映像(3枚)は徳島市の常三島町に存在する長井長義先生の生家です。そして次の3枚の写真は、徳島大学薬学部創立五十年の記念事業として、徳島城内の公園から移設された先生の胸像です。
また、長井先生のお孫さんに当る「長井貞義」さんは、祖父にあたる長義先生の生地に存在する徳島大学と、祖母に当たるテレーゼさんの出生地であるライン河畔のアンダーナッハ市への貢献に専心されました。つぎの3枚の写真は、貞義さんの寄付で徳島大学薬学部構内に建設された「長井記念ホール」ですが、300人収容の非常に使いやすい施設です。内部には「長義、御子息の亜歴山、お孫さんの貞義」さんの銅版に加えて、長井長義先生の記念写真の数々が掲げられています。また、次の写真は記念ホール竣工式における貞義さんと、当時の日本薬学会々頭、野島庄七先生、その次は、貞義さんとそのご家族、それに長井長義先生の生家を守ってこられた長井貞義さんの従兄弟の木内さんご夫妻の映像です。
「長井記念ホール」では、新しい医薬を創る「創薬」を目指す「長井長義記念シンポジウム」が数年にわたり開催されています。このシンポジウムのポスターをお示し致します。さらに 最後の写真は、貞義さんの貢献によって建設された、いまフォーラムを開催している(社)日本薬学会会館ですが、この「長井記念ホール」の施設のみならず、ロビーに飾られた美術品の数々に至る迄まで、貞義さんは隅々にわたって配慮されましたことを終わりに御報告させて頂きます。
この公開フォーラムが実りあるものになりますことを期待しております。ありがとうございました。

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